GoToトラベルの是非

緊急事態宣言の解除後、東京をはじめ各地で新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にある中、政府が GoToトラベルを前倒しで実施することに批判が噴出し、世論に押される形で 東京都 が除外され 高齢 , 若者団体も対象外にする方向で進んでいる。

基本的にマスコミは政策を肯定するような記事を掲載しないので、一方的な情報ばかりが目に留まることを考慮しても、一般的な感覚として GoToトラベル の強行に疑問を持つのは当然かと思うが、自民党の二階幹事長が全国旅行業協会の会長を務めていることを別にしても、もともとインバウンド需要で潤っていたところがある観光業は、新型コロナにより海外からの観光客が途絶えている状況下、救済措置を講じないとジリ貧になるため、観光収入が大きなウェイトを占める地方では死活問題だったりする。

観光庁が公表した 2020年 5月の「 主要旅行業者の旅行取扱状況速報 」を見ると観光業が瀕死状態にあるのが明白。

6月末に大阪の旅行会社 ホワイト・ベアーファミリー が負債総額 351億円 で民事再生を申請。

TSR 「しろくまツアー」で知られる旅行業者、負債は今年最大

JTB は冬の賞与がゼロで労使合意、HIS も上場後 はじめての赤字で 不採算店舗の閉鎖や来春の新卒採用見送りなど 大手 旅行会社も苦境に立たされているが、宿泊業と飲食業は更に厳しい状況が続いている。

TSR 新型コロナウイルス関連】2020年4月「宿泊業」倒産状況

TSR 2020年上半期(1‐6月)「飲食業倒産動向」調査

観光業は旅行会社と宿泊業だけで成り立っているわけでもなく、クリーニングや飲食などの関連産業にも大きなダメージがある。
仮に GoToトラベルを完全な形で実施したとしても 内需だけでは限界があり、インバウンド需要を当てにしていたところが依然として厳しい状況にあるのは変わりない。

世界規模で発生したコロナ禍は 観光立国を目指していた日本に 方向転換を迫るものには違いないが、現在の観光業を見放してしまうと関連産業を含めて多くの失業者が生じるだけでなく、経済にも多大な影響を与える。
世界的に新型コロナの流行が終息しない限り インバウンド需要の回復が期待できない中、アフターコロナは 生活様式や働き方だけでなく 否応なく国内産業の構造そのものに大きな変化を強いられることになる。

Topics
Introduction to
タイトルとURLをコピーしました