Retail claims – 小売業のクレーム

昨今は モンスタークレーマー などで何かと話題になる 小売業や飲食業のクレーム。

英語の「 Claim 」が「 請求する , 要求する , 主張する 」を意味しているように、クレーム処理とは本来 客の要求に対して 相手が得心する対応をすることであり、ひたすら詫びるだけの苦情処理ではない。

クレーム対応時に知っておくべき法律

人が相手のクレームには「これを抑えておけば大丈夫」といった虎の巻は存在しない。

あるのは経験則の中から見出した「このようなタイプには この対応をしよう」といった「カテゴリー」のようなものだけで、これについても対応する個人の性格などに大きく左右されるので「誰かの真似」をして成功するものでもないが、「なにを可しとし、なにを否とするのか」を自分の中でしっかりと持つことが肝要で、特に法律を正しく理解しておくことは非常に重要だったりする。

売買契約

専門店や食品スーパー、百貨店などで 日常的にしている「買い物」は、民法 第555条 に定める「売買契約」になる。

民法 債権 (売買)
第555条

売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

売買契約は 申込みと承諾 を必要とする「諾成(だくせい)契約」で、売主と買主の双方に債務が発生する「双務契約」になり、売主には 目的物引渡義務 、買主には代金支払義務が発生する。
また、契約の成立条件については 書面作成は必須ではなく「口頭の合意」でも成立する。

これ下さい。

ありがとうございます。

レジなどで日常的行われている何気ない買い物のやりとりは、買主が購入の意志表示を行い、売主がそれを承諾し、口頭の合意の元に売買契約が成立している。

この商品などいかがですか?

考えてまた来ます。

販売員が接客して商品を勧めても 客が納得しなければ 諾成契約が不成立になるので売買は行われない。

これ欲しいので下さい!

売りたくありません ♪

店舗では まず見られない やりとりだが 諾成契約の性質上 、買主の申込みを売主が拒否することもできる。

契約自由の原則」という近代法の原則では「契約関係は当事者の自由な意思によって決定し 国家は干渉しない」とされ、その内容は「締約の自由」「相手方選択の自由」「内容の自由」「方式の自由」になっている。

小売店は商品を販売しているが「商品を客に売る義務」はなく、来店した客の購入をすべて断っても法律的には問題ない。

販売には「売らない選択肢」があり、販売しなければ クレームは発生しない。

債務不履行責任

売買契約が成立すると売主と買主の双方に「完全な履行をする義務」が生じ、売主は 目的物(商品)の引き渡し、買主は代金を支払って 契約が履行される。

購入したものと 違う商品が入っていたのですが。。。

申し訳ございません。すぐにお取替え致します。

サイズ違い や 色違い、デザイン違いなど、間違った商品を渡してしまった場合は、売主側の「債務不履行」になるので、正しい商品と交換して売買契約を履行するか、契約を解除して売買の目的物(商品)と引き換えに 返金することになる。

債務不履行が発生した場合、売主は契約違反を犯したことになるが、買主からのクレームに対しては日常的に 裁判をせずに和解(示談)が行われている。

善良な管理者の注意義務(善管注意義務)

販売店での商品取り扱いについては、既製品などの「不特定物・種類物」の場合は「自己の財産におけるのと同一の注意義務」が必要で、お客が購入を決めた「特定物」になると「善良な管理者の注意義務」が生じる。

民法 債権 (特定物の引渡しの場合の注意義務)
第400条

債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。

「善良な管理者の注意義務(善管注意義務)」は「債務者の属する職業や社会的・経済的地位において取引上で抽象的な平均人として一般的に要求される注意」で、要は 立場に相応しい最善の仕事をしろということ。

着ようとしたら糸がほつれていたんだけど!
それくらい確認するのは当たり前じゃないの!?

申し訳ございません。確認不足でございました。

クレームの際には「それくらいは当たり前」とか「それくらいは常識」という事を言われることが多い。
何をもって「常識」とするのかは判断が難しいところでもあるが、「不具合のある商品の販売」は債務不履行になるため、販売時もしくは入荷時の検品は「善管注意義務」に該当すると考えられる。

商品の検品については 商法 第526条 (買主による目的物の検査及び通知)で、買主は目的物を受領したときは 速やかに 目的物の検査をすることが義務付けられているが、これは「商人間( B to B )の売買」のことであって一般消費者を対象とした小売( B to C )には適用されない。

契約不適合責任

2020年 4月1日より施行される改正民法には、売買契約に「契約不適合責任」が新設された。
従来の売買契約では「特定物」と「不特定物・種類物」で違いがあり、「特定物」は目的物の所有権が買主に移転すれば債務履行と見なされ、後から発見された瑕疵についての責任がないため、買主は「瑕疵担保責任」で保護されていたが、改正民法では「瑕疵担保責任」が廃止され、特定物・不特定に関わらず「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき」は 売主が「契約不適合責任」を負うことになる。

また、契約不適合責任は「 債務不履行 」の損害賠償請求条件に準じることになり、「 債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるとき 」は賠償請求はできない(改正民法415条)とされている。

洋服を購入して 違う商品がはいっていた場合「 種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないもの 」であるため、売主は 債務不履行 になるので 正しい商品と交換して売買契約を履行するか、契約を解除して売買の目的物(商品)と引き換えに 返金が必要。
また、購入したシャツの一部分が縫えていないことを発見した場合も「契約の内容に適合しないもの」と見なされるが、シャツの縫製不良は販売店の責任ではないため、例えシャツの縫製不良によって損害を被ったとしても 売主への賠償請求は難しい。

交通費

債務不履行によって被った被害については 賠償請求が可能だが、賠償請求は 現実に損害が生じなければ請求できず、損害の被害額を証明する必要もあるので、通常は売買契約の「完全な履行をする義務」を再履行する形で示談が成立していることが多い。

Mサイズって言ったのにLサイズが入っているんだけど。。

申し訳ございません。
お取替え致しますので ご来店いただけないでしょうか?

実店舗の場合、商品交換や返品の際に来店するように言われることもあるが、売主のミス( 売主の過失 )で返品や商品交換が発生し、買主が商品交換のために交通費を使って店舗まで来た場合、法律的に買主は店舗までの往復交通費を売主に請求できる。
ただ、賠償請求する権利はあるものの、請求額や支払いについては 交渉になり 売主の提示条件に納得できない場合は 民事訴訟 になる。

現実的には 売主の過失で交通費が発生したとしても 交通費を請求する買主は少なく、交通費の請求拒否で少額裁判を起こすような人も 皆無に近いため、売主が法律を理解しておらず 交通費の請求を不当だと思い込んでいるケースもある。

クーリングオフの誤解 と 返品返金

現行法にクーリングオフという表記はなく、「 一定の契約に限り、一定期間、説明不要で無条件で申込みの撤回または契約を解除 」できる クーリング・オフ制度は、訪問販売やマルチ商法などを対象にしており、通信販売も実店舗での物販も含まれていない。

特定商取引に関する法律 (通信販売における契約の解除等)
第15条の3
通信販売をする場合の商品又は特定権利の販売条件について広告をした販売業者が当該商品若しくは当該特定権利の売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は売買契約を締結した場合におけるその購入者(次項において単に「購入者」という。)は、その売買契約に係る商品の引渡し又は特定権利の移転を受けた日から起算して八日を経過するまでの間は、その売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる
ただし、当該販売業者が申込みの撤回等についての特約を当該広告に表示していた場合(当該売買契約が電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律(平成十三年法律第九十五号)第二条第一項に規定する電子消費者契約に該当する場合その他主務省令で定める場合にあつては、当該広告に表示し、かつ、広告に表示する方法以外の方法であつて主務省令で定める方法により表示していた場合)には、この限りでない。
2 申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は特定権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、購入者の負担とする。

「 特定商取引に関する法律  第15条の3 」で定められている 通信販売の「 返品特約 」には、通販の場合は 返品特約として記載がない限り、 商品を受け取ってから8日間は契約の解除(返品返金)できると規定されており、これを都合よく端折って「 商品は購入から1週間以内であれば返品返金できる 」と拡大解釈をしている 消費者が非常に多い。

実店舗で 客が「 クーリング・オフ 」と言う場合は ほとんどが「 通信販売における契約の解除等 」のことで、購入から7日以内であれば無条件で返品できると信じている。

債務履行時の返金返品

売主には 善管注意義務 や 契約不適合責任 が義務付けられ、消費者は手厚く保護されているが、小売業は 客が自らの意思で来店して物品を購入するため、販売側が能動的に動く訪問販売やマルチ商法、キャッチセールスなどに適用されるクーリング・オフは対象外になる。
また 前述の「 通信販売における契約の解除等 」についても 通販に限った項目のため、実店舗での販売は含まれない。

家に帰って確認にしたら同じようなものがあったで返金して下さい。

当店では お客様のご都合による返品返金はできかねます。

一度も使用してないし、買ったのも昨日だし、レシートもありますけど! クーリングオフしてください!!

恐れ入りますが、不当な要求については承諾いたしかねます。

売主は売買において「債務の完全な履行」をしていれば、買主との売買契約は代金と商品を引換えた時に締結しており、商品交換や返品返金をする義務や責任は一切ない

契約した当事者はその契約に拘束され、その内容を守る義務を負うため、一方的な契約の解除や変更はできず、解除や変更は相手の同意が必要になる。

クレーム処理の問題点

民法では 売主・買主ともに公平な取引ができるよう定められているが、実際の現場では 法律を盾にすることも難しく、様々な思惑が合って 些細なことで大きなクレームに発展するケースが多々ある。

標準化してしまった百貨店と大手チェーン店のサービス

客の立場からすれば「自分の要求を聞き入れてくれる」店舗は「優良店」で、自分の要求を通すため「◯◯なら交換してくれたけど」などと、競合他社の名前を出して交渉してくることも多い。

「債務の完全な履行」を果たした売買契約では 商品交換や返品返金の義務や責任がないため、それを「自社のサービス」にすることは他社を出し抜く大きなメリットになるが、当然ながら他社も追随してくる。
初めは優良顧客に対して行っていたサービスだったものが、顧客獲得のツールとして利用され、最終的には「当たり前のサービス」になってしまう。

近年はコンプライアンスが厳しくなったが、バブル崩壊まで大きな販売力をもっていた百貨店は、メーカーに「優位的地位」にあり、商品の入れ替えや返品など無茶振りは日常茶飯で、客のクレームによる損失も メーカーに丸投げしていた時期がある。
「バイヤーになったら家が建つ」と言われた時代で、メーカーの方も売上が伸びているため 多少のロスは黙認するという関係にあった。

自分の腹が痛まず 客が喜ぶため「客都合の返品交換」を断る理由はなく、同時期に百貨店を模倣して勢力を拡大していた総合スーパー(GMS)も百貨店に追随する形で「客都合の返品交換」を許容し、消費者が認知するスタンダードなサービスになっていく。

事なかれ主義な対応がもたらす弊害

面倒事が好きなサラリーマンは少ないと思うが、クレーム処理は面倒事の最たるもの。
クレームには基本的に「要求」があり、その要求への対応によって状況が悪化したり、収束したりする。
要求のある相手に納得してもらう最善策は「相手の要求をすべて飲む事」で、要求に対する達成度が低くなるに連れ 相手を納得させることが困難になる。

言葉を選んだところで 要求を断れば 、相手は多少なりとも不愉快になり、諦める人もいれば喰い下がる人もおり、怒り出す人もいる。
どのカードを引くかは相手次第で、状況が悪化すれば 多くの時間を費やすことになり、ケースによっては周囲を巻き込み、大事になってしまう可能性もある。

ただ、敢えて火中の栗を拾うような真似をせずとも、相手の要求を飲みさえすれば 事は丸く収まる。

クレーム対応にかかる労力と精神的負担、場合によっては売り場で大声を出される可能性もあり、会社からの評価なども考えると、多少のロスが生じても 丸く収めたいという心理が働いてしまう。
ましてや 相手都合の返品交換 を 会社が認めている場合は、尚のこと深く考えること無く 安易に返品交換の処理をするようになり、クレーム処理は 客の要求を飲むのが当たり前になっていく。

事なかれ主義な対応の増加は、消費者に「要求は通るもの」という誤った認識を与え、更にエスカレートして「サービス業は客の要求を聞くのが当然」という勘違いをした モンスタークレーマーを生むことになる。

モンスタークレーマーは 大声を出したり、恫喝したり、謝罪を強要したりと 厄介な存在には違いないのだが、その多くは 法律を理解していない 短絡的で感情的なド素人で、子供が自分の要求が通そうと駄々をこねたり 大泣きするのと大差はない。
子供が親の顔色を伺いながら駄々をこねるように、モンスタークレーマーも 相手に「付け入る隙」を見つけると容赦なく攻撃してくるため、事なかれ主義的な対応は 最も避けるべき下策だったりする。

会社の協力

クレーム交渉で重要なのは「着地点」で、不当な要求を完全に拒否する場合は、相手が消費者センターへの連絡はもとより、 SNS での 中傷拡散などを行う可能性があり、それらを会社として容認するか否かで対応は異なってくる。

要求を拒否するということは、正当か不当かに関わらず 少なからず相手を不快にし、場合によっては相手を激怒させ、事態が悪化する可能性も多分にあるため、会社の方針をしっかりと把握した上で対応を行うのが基本。

法律用語での「和解」は「互いに譲歩」することを意味しており、クレーム交渉でも「要求の一部承諾」が解決策としては現実的だが、それでも交渉がまとまらない場合の対策など 会社側の協力は不可欠で、会社や上司がクレームを面倒な厄介事としか認識していないと、担当者は 客と会社の双方で交渉が必要になり、折り合いがつかない場合は 担当者だけが精神的に疲弊するという最悪の状況に陥ってしまう。

実際、現場では  担当者が 上司から「なんとかしろ」と言われ、 客との板挟みになって 為す術もなく悩んでいることが多く、クレームを収めるために 身銭を切ったという話しも少なくない。

後ろ矢

クレーマーのテクニックの「1つに従業員を味方につける」というものがある。
そもそもベテランのクレーマーは 初めから怒ったり要求したりせず、介入しやすそうなスタッフを捕まえて相談もしくは陳情といった感じで話しをし、その話しの中で様々な「言質」を取っていく。
対応しているスタッフは 相手を怒らせまいとして、深く考えず 相手の話に同調していくうちに 丸め込まれ、クレーマー側の立場で物を見るようになり「ミイラ取りがミイラになる」。

これをされると交渉している最中に「◯◯さんは こう言った」と名指しされ、それについて説明をしても「◯◯さんを呼んで」といった感じで話が進まず、更にスタッフを呼んで話しをさせると、話の途中に「あのときは こう言ったよね」と言質に同意させるため、交渉のテーブルが1対1から2対1になり、リセットするだけで骨が折れるという事態になる。

ある意味で洗脳に近いのだが、この手法には「気が弱い」スタッフだけでなく、「正義感が強い」タイプもミイラになりやすく、交渉の場で「正義感が強い」タイプは非常に厄介だったりする。

クレームの処理にあたって

本部で仕事をしている最中に 店舗から電話が入り「お客様が怒っておられて。。。上の者を出せと仰っているので。。」と震えた声でいきなり告げられ、状況もわからないまま電話を代わったら 今度は怒声を浴びせられる。
と、毎度のことながら理不尽さを痛感しながら対応を余儀なくされるが、本部に連絡が来ている時点でクレームの初期消火に失敗しており、場合によっては燃料をガッツリと投下した状態なのため、解決するのは非常に厄介だったりする。

クレームの大部分は「債務の完全な履行」かマニュアル通りの説明で収まっており、店舗で収まらないものでも「上の者が出てきた」というだけで納得する人もいれば、単にスタッフの対応が気に入らなかったという人もおり、消費者センターとのやり取りになったり、お客の家に行って話しをするようなケースは稀だが、それでも事が大きくなると一日二日で解決するものでもなく、精神的な負担はかなり大きい。

場合によっては弁護士や警察に相談することにもなるので、どのようなクレームでも、電話の場合は通話録音、直接対応した場合は 話した内容をできるだけ詳細に記録しておくことが基本

冷静な対応

クレーマーは常套手段として「2択」を迫ってくる。

返金しないということは、俺が馬鹿をみたらいいわけだな!

ご返金はできかねますが、お修理にてしっかりと対応させていただきます

「 A でないということは B ということだな 」といった感じの2択を迫られると、人の思考は A と B のいずれかを選ぼうとするのが自然で、いずれも選択できない選択肢だと 思考が停止し、選択できなかったことに負い目すら感じてしまうが、そもそも真っ正直に相手の2択に答える必要はなく、こちらの対応をしっかりと伝えれば問題ない。

しかしながら 怒っている相手を前に 冷静に対応するというのは、個人差があるものの基本的には難しく、及び腰になるのは仕方がないことだが、威嚇してくる相手が最も恐れているのは「動じない」ことなので、普通に受け答えをしているだけでトーンダウンするケースも多々ある。

同様に「責任者を出せ」「社長を呼んでこい」「消費者センターに訴える」「知人に弁護士がいる」「裁判を起こす」などなど、場数を踏んでいるクレーマーは揺さぶりをかけてくる。
サラリーマンにとって「会社に迷惑がかかる」というのは 結構な破壊力を持っており、「上層部の耳に入ったら面倒」だとか「おおごとにしたくない」という 気持ちが働くのは当然で、毅然とした応対をするにも会社や上司の協力は不可欠のため 事前にしっかりと対応方法を確認しておくことが重要だったりする。

消費者センター

消費者センターといっても一方的に消費者の言い分を聞くわけではなく、告発されている業者へも電話で聞き取りを行い、問題となっている状況を判断しており、仮に告発されても 客への対応が正当であれば その姿勢を突き通すこともできる。

2009年9月に消費者庁が発足して以降 「消費者センター」は 消費者庁と連携するようになり、重大事故などの情報を消費者庁に提供するようになったが、業者に対して勧告や立ち入り調査などの直接権限は持っておらず、一般的な問題については「仲裁役」として助言がある程度で、相談の内容によっては法律などを説明して受け付けなかったりもする。

「消費者センターに訴える」はクレーマーの常套句の1つだが、対応に問題がなければ 消費者センターに訴えても諭されるか、連絡が入ったとしても状況を説明するだけで解決し、場合によっては消費者センターの担当者に同情までされるので、ややこしいクレームは 消費者センターに訴えてくれたほうが 精神的な負担が随分と軽減されたりする。

山より大きな猪は出ない

厄介なクレーム対応している時に感じるのは、出口の見えないトンネルに入ったような閉塞感と孤独感。
往々にして思考がネガティブになり、解決する気がせず、電話が鳴るだけで憂鬱になったり、長引けば胃もキリキリと痛くなり、それば続くと 絶望感に襲われるようになる。

ただ、山より大きな猪は出ない。

弁護士に相談すると、悩んでいることが馬鹿らしくなるほど 明快な解答が返ってくることが多い。
岡目八目とはよく言ったもので、傍から見れば大した問題でもないものが、クレーム渦中にいる当事者になると、途端に周囲が見えず 本質の大きさが分からなくなる。

どれほどのクレームであっても、所詮は仕事上のトラブルに過ぎず、仕事上のトラブルであれば仕事上で解決できる。
クレームは深みにハマるほど視野が狭くなり 解決策が見えなくなるので、まずは自分の視野が狭くなっているのだと気づくことが重要。
クレームで最も避けるべきなのは、自分で自分を追い込むことだったりする。

駑馬十駕
Introduction to
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